2026年最新解説 ファクタリングとは?仕組み・手数料・審査・違法業者の見分け方・会計処理まで

ファクタリングの会計処理|基本は売掛債権の売却

会計処理で最も重要なのは、その取引が会計上も金融資産である売掛金の売却として処理できるかという点です。

企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」では、金融資産に対する支配が他へ移転するなど、所定の要件を満たしたときに金融資産の消滅を認識します。

そして、消滅の認識要件を満たした場合、金融資産の帳簿価額と受取対価との差額を当期の損益として処理します。

100万円の売掛金を90万円で売却した場合の仕訳例

会計上、売掛債権の売却として消滅を認識でき、他の費用等がないものと単純化した例です。

借方金額貸方金額
普通預金900,000円売掛金1,000,000円
売上債権売却損等100,000円

実務では「売上債権売却損」などの勘定科目を用いる例がありますが、法律によって全事業者に一つの勘定科目名が強制されているわけではありません。会計ソフトや自社の勘定科目体系によって名称が異なる場合があります。

実態が借入れなら同じ仕訳にはならない

企業会計基準では、金融資産の消滅を認識するため、譲受人の権利が法的に保全されていること、譲受人が権利を享受できること、譲渡人が満期前に買い戻す権利・義務を実質的に持たないことなどを求めています。

そのため、売掛金を形式的に売ったように見えても、実質的に買戻し義務などが残る取引は、単純な「売掛金の売却」と同じ会計処理にならない可能性があります。

ファクタリング手数料に消費税はかかる?

国税庁は、金銭債権の譲渡を消費税の非課税取引として扱っています。

さらに、金銭債権の買取りについて債権額から差し引かれる割引料・保証料・手数料は、契約上金銭債権の譲受対価である場合、その名称にかかわらず消費税上は非課税とする取扱いを示しています。

したがって、典型的な売掛債権買取型ファクタリングについて、ファクタリング手数料そのものに通常の10%の消費税を上乗せする取扱いとは異なります。

ただし、別途行われるコンサルティング、出張など、債権譲渡とは独立したサービスがある場合には課税関係が異なる可能性があります。

ファクタリングと確定申告|個人事業主はどう処理する?

個人事業主が事業で発生した売掛金をファクタリングした場合、ファクタリングで受け取った金額すべてを新しい売上として二重に計上するものではありません。

もともとの商品販売・サービス提供によって売上が発生し、売掛金として計上した後、その売掛債権を売却して現金化するという流れだからです。

国税庁は、所得税の譲渡所得について、売掛金・貸付金などの金銭債権は通常の譲渡所得の対象資産から除かれると説明しています。

事業上の売掛債権を額面より安く売却して生じた損失などは、取引実態に応じて事業所得の計算へ反映することになります。

ただし、個人事業主の具体的な必要経費処理、青色申告決算書への記載、特殊な契約の税務処理については個別事情で異なる可能性があるため、税務署や税理士への確認が確実です。

ファクタリング利用で確定申告が新たに必要になるとは限らない

「ファクタリングを利用したから、それだけで新たに特別な確定申告を1回行う」という制度ではありません。

法人であれば通常の法人税申告、個人事業主であれば通常の所得税の確定申告の中で、売上・売掛金・売却損などを適切に会計処理します。

重要なのは、請求書、ファクタリング契約書、入金記録、手数料等が分かる明細を保存して、帳簿上の売掛金と実際の入金を照合できるようにしておくことです。

ファクタリングを選ぶときの最終チェックリスト

  • 運営法人を確認:サービス名だけでなく正式な会社名・所在地を確認する
  • 手数料の上限を確認:「1%~」など最低料率だけで判断しない
  • 最終受取額を確認:諸費用を含めて手元にいくら残るかを見る
  • 償還請求権を確認:売掛先が倒産した場合の負担を契約書で確認する
  • 買戻し義務を確認:利用者が自己資金で穴埋めする契約になっていないかを見る
  • 即日条件を確認:「最短」と「必ず即日」は違う
  • 必要書類を確認:請求書・通帳・本人確認書類などを準備する
  • 二重譲渡をしない:すでに売却した同じ債権を別会社へ売却しない
  • 継続コストを計算:毎月利用しても利益と資金繰りを維持できるか確認する

まとめ|ファクタリングは「即日」より手数料と契約内容の確認が重要

ファクタリングは、売掛金の入金を待たずに資金化できるため、短期的な資金繰りを調整する手段の一つです。通常の真正なファクタリングは融資ではなく、法的には売掛債権の売買・債権譲渡として扱われます。

2社間方式は売掛先を契約に加えずスピーディーに進めやすい一方、3社間方式より手数料が高くなりやすい傾向があります。手数料に公的な一律相場はなく、「1%~」「即日」などの広告表示だけでは自社の実際の条件は判断できません。

また、最も注意したいのが偽装ファクタリングです。売掛先から回収できないと利用者自身が買い戻す、自己資金で支払うことを強制されるなど、実質的に貸付けと同じ仕組みであれば貸金業に該当する可能性があります。

緊急の資金需要があるときほど、「今日振り込まれるか」だけでなく、「売掛金はいくら減るのか」「売掛先が倒産したら誰が負担するのか」「契約相手はどの法人なのか」まで確認しましょう。

PAYTODAY、JBL、MSFJ、アットライン、ライジング、MKトラスト・マネジメント、ファストファクタリングなども条件はそれぞれ異なります。公式サイトの最低料率や最短時間は、その条件が全利用者に適用されることを意味しません。必ず自社向けに提示された見積書と契約書を確認したうえで判断することが重要です。

※本記事は2026年9月7日時点で確認できる公的機関・各事業者公式サイト等の情報を基に、一般的な制度と注意点を解説したものです。特定のファクタリング会社の利用を推奨・保証するものではありません。手数料、審査、即日対応、営業時間、対象債権等は変更される場合があります。契約時は必ず最新の公式情報、見積書、契約書をご確認ください。法律・会計・税務上の判断が必要な場合は、弁護士、公認会計士、税理士などの専門家へご相談ください。

<参考サイト> 金融庁 / 消費者庁 / 国税庁 / 企業会計基準委員会 / PAYTODAY / 株式会社JBL / MSFJ株式会社 / 株式会社アットライン / 株式会社ライジング・インベストメントマネジメント / 株式会社MKトラスト・マネジメント / ファストファクタリング