
配当金生活にはいくら必要?生活費から逆算しよう
「配当金生活」に必要な資産額は、年間生活費・配当利回り・税金によって大きく変わります。
たとえば、生活費として毎月20万円、年間240万円をすべて配当金で賄いたいとします。
税金を無視して利回り4%なら6,000万円
単純計算では、
240万円÷4%=6,000万円
となります。
しかし、課税口座で受け取る一般的な上場株式の配当には、原則20.315%の税金が源泉徴収されます。
税引後240万円を手元に残すために必要な税引前配当は約301万円です。
240万円÷0.79685≒301万円
利回り4%なら必要元本は、
約301万円÷4%≒7,530万円
となります。
配当金生活の必要資産シミュレーション
課税口座で国内上場株式の配当を受け取り、税率20.315%、利回りが一定であると仮定した単純計算です。
| 手取り生活費 | 年間手取り | 利回り3% | 利回り4% | 利回り5% |
|---|---|---|---|---|
| 月20万円 | 240万円 | 約1億40万円 | 約7,530万円 | 約6,024万円 |
| 月25万円 | 300万円 | 約1億2,549万円 | 約9,412万円 | 約7,530万円 |
| 月30万円 | 360万円 | 約1億5,059万円 | 約1億1,294万円 | 約9,036万円 |
※株価、配当金、税率が変わらないという仮定による概算です。実際には減配、無配、株価下落、税制変更などがあります。
「利回り10%なら少ない資金で生活できる」と考えるのは危険
理論上は利回りが高いほど必要元本を少なくできます。しかし、高い配当利回りが将来も維持される保証はありません。
高い利回りが表示される理由が、会社の増配ではなく株価の急落であるケースもあります。
配当金だけで生活費の全額を賄う計画では、1社の減配がそのまま生活費減少につながらないよう、銘柄・業種・地域などを分散する考え方も重要です。
配当金の税金はいくら?2026年は原則20.315%
2026年時点で、個人が受け取る一般的な国内上場株式の配当金には、大口株主等に該当しない場合、原則として合計20.315%が源泉徴収されます。
- 所得税・復興特別所得税:15.315%
- 住民税:5%
- 合計:20.315%
10万円の配当金を受け取る場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 税引前配当金 | 100,000円 |
| 所得税等15.315% | 15,315円 |
| 住民税5% | 5,000円 |
| 税引後受取額 | 79,685円 |
証券会社の口座に7万9,685円しか入っていなくても、会社が支払った配当金そのものは10万円です。
配当金は確定申告しなくてもよい?
一般的な上場株式の配当については、大口株主等を除き、金額にかかわらず確定申告不要制度を選択できます。
すでに20.315%が源泉徴収されているため、そのまま申告をせず納税を完結させることができます。
一方、確定申告をする場合には、主に総合課税または申告分離課税があります。
総合課税を選ぶメリット|配当控除を受けられる場合がある
国内法人から受け取る一定の配当を総合課税で申告すると、所得税の計算で配当控除を利用できる場合があります。
所得水準などによっては、源泉徴収された税金の一部が還付されるケースがあります。
ただし、外国株式の配当、J-REITの分配金など、配当控除の対象とならないものもあります。
申告分離課税を選ぶメリット|株の売却損と通算できる
上場株式等の配当を申告分離課税で申告すると、一定の上場株式等の譲渡損失と損益通算できます。
たとえば、
- 上場株式の配当:50万円
- 上場株式の売却損:40万円
という場合、要件を満たして申告分離課税を選択すれば、損益通算によって課税対象となる金額を圧縮できる場合があります。
源泉徴収ありの特定口座に配当を受け入れている場合には、同一口座内で一定の損益通算が自動的に行われるケースもあります。
配当金を確定申告するデメリット・注意点
「配当金は確定申告した方が必ず得」とは限りません。
1.合計所得金額に含まれる場合がある
確定申告不要制度を利用した上場株式等の配当は、原則として合計所得金額に含まれません。
一方、総合課税や申告分離課税で申告すると、一定の計算上、合計所得金額に含まれるため、所得要件がある控除などの判定に影響することがあります。
2.国民健康保険料などに影響することがある
国税庁も、上場株式等の配当・譲渡所得を確定申告すると、国民健康保険料(税)、後期高齢者医療保険料、介護保険料などに影響する場合があるとして注意を促しています。
3.所得税と住民税で別の課税方法を選べなくなった
2024年度の個人住民税から、上場株式等の配当所得等について、所得税の確定申告で選んだ課税方式と住民税の課税方式を一致させる制度になっています。
以前の情報では「所得税では総合課税、住民税では申告不要」という方法が紹介されていることがありますが、現在は同じ扱いではありません。
古い配当金生活ブログや過去の記事を参考にする場合は、掲載時期を確認しましょう。
NISAなら配当金の税金は0円?受け取り方法に注意
2024年からのNISAで成長投資枠を使って購入した対象上場株式は、制度上の要件を満たせば配当金を非課税にできます。
ただし、上場株式の配当をNISAで非課税にするには「株式数比例配分方式」で受け取ることが重要です。
国税庁や日本証券業協会は、NISA口座で保有する上場株式の配当でも、配当金領収証方式や指定銀行口座で受け取る方式の場合はNISAの非課税扱いにならず、20.315%が源泉徴収されると案内しています。
しかも、一度課税された配当を確定申告して「NISAだから非課税に戻す」ことはできません。
税金だけでも配当生活の必要資金は大きく変わります。そして長期では「受け取った配当を使うか、再び投資するか」でも資産形成の結果が変わります。次ページでは再投資の効果と受取方法を整理します。




