高年齢雇用継続給付金の計算方法
支給額は、60歳到達時などの賃金月額と、支給対象月に支払われた賃金を比べて計算します。基本となる考え方は、次のとおりです。
低下率=支給対象月に支払われた賃金額 ÷ 60歳到達時などの賃金月額 × 100
2025年4月1日以降に受給資格を満たす人の場合、低下率が64%以下であれば、支給対象月の賃金の10%相当額が目安になります。低下率が64%を超え75%未満の場合は、低下率に応じて支給率が下がります。75%以上の場合は支給されません。
支給率の簡易早見表
| 低下率 | 支給率の目安 |
|---|---|
| 75.00%以上 | 支給なし |
| 70.00% | 4.16% |
| 68.00% | 5.99% |
| 65.00% | 8.95% |
| 64.00%以下 | 10.00% |
この表は、2025年4月1日以降に受給資格を満たした人向けの考え方です。2025年3月31日以前に60歳に達した人などは支給率が異なるため、従来の15%上限の早見表を確認する必要があります。
計算例:60歳時点の賃金が30万円、現在の賃金が18万円の場合
60歳到達時の賃金月額が30万円で、支給対象月に支払われた賃金が18万円の場合、低下率は次のようになります。
18万円 ÷ 30万円 × 100 = 60%
低下率が64%以下のため、2025年4月1日以降に受給資格を満たす人であれば、支給額は支給対象月の賃金18万円の10%、つまり1万8,000円が目安になります。
ただし、実際には支給限度額、最低限度額、みなし賃金、年金との調整などにより、計算結果どおりにならない場合があります。
上限額と最低限度額に注意
高年齢雇用継続給付金には、支給限度額と最低限度額があります。2025年8月1日以後の支給対象期間からは、主な金額が次のように変更されています。
- 支給限度額:386,922円
- 最低限度額:2,411円
- 60歳到達時等の賃金月額の上限額:508,200円
- 60歳到達時等の賃金月額の下限額:90,420円
支給対象月に支払われた賃金が386,922円以上の場合、高年齢雇用継続給付は支給されません。また、計算された給付額が2,411円を超えない場合も支給されません。これらの金額は毎年8月1日に変更される可能性があるため、申請時点の最新額を確認する必要があります。
賞与は計算に入る?
高年齢雇用継続給付金では、毎月の賃金をもとに低下率を判断します。年2回のボーナスのように、3か月を超える期間ごとに支払われる賞与は、通常、毎月の賃金額とは別に扱われます。
ただし、名称が「賞与」であっても、実態として毎月または短い周期で固定的に支払われている場合などは、個別判断が必要になることがあります。給与規程や支給実態によって扱いが変わる可能性があるため、賞与を含めるかどうかは勤務先の人事・総務担当やハローワークで確認するのが安全です。
年金を受けている場合は、年金が一部止まることがある
60歳以上65歳未満で特別支給の老齢厚生年金などを受けながら働いている人が、高年齢雇用継続給付金を受ける場合、在職老齢年金による支給停止に加えて、年金の一部が支給停止されることがあります。
2025年4月1日以降の新しい支給率の対象者では、年金の支給停止額は最高で標準報酬月額の4%相当額とされています。一方、従来の15%上限の対象者では、年金の支給停止額も異なる扱いになります。
ここで大切なのは、「給付金が増える=手取り全体がそのまま増える」とは限らない点です。給与、給付金、年金の3つを合わせて確認しないと、実際の収入感がつかみにくくなります。
受け取れる可能性があっても、申請期限や添付書類を間違えると支給が遅れることがあります。次のページでは手続きの流れを確認します。
