マンション投資が「やめとけ」と言われる理由
マンション投資に否定的な意見があるのは、過去に収支計画の甘さ、強引な営業、サブリース契約への誤解、金利上昇、物件価格の下落などでトラブルになった事例があるためです。すべてのマンション投資が危険という意味ではありませんが、リスクを理解せずに始めると後悔につながりやすい投資です。
理由1:空室になると家賃収入が止まる
区分マンション投資では、所有する1室が空室になると、その期間の家賃収入は基本的に入ってきません。しかし、ローン返済、管理費、修繕積立金、固定資産税などは続きます。
そのため、購入前には「家賃が満額入る前提」だけでなく、数か月空室になった場合でも返済を続けられるかを確認する必要があります。特に、自己資金に余裕が少ない状態で始めると、想定外の空室や修繕が家計を圧迫することがあります。
理由2:家賃は将来下がる可能性がある
新築や築浅のマンションは、購入時点では高めの家賃で試算されることがあります。しかし、築年数が進むと周辺相場や建物の状態に応じて、家賃を下げなければ入居者が決まりにくくなる場合があります。
家賃が少し下がるだけでも、ローン返済額が大きい場合は毎月の収支に影響します。購入時には、現在の家賃だけでなく、5年後、10年後に家賃が下がった場合の収支も確認しておくと安心です。
理由3:金利上昇で返済額が増えることがある
マンション投資では、投資用ローンを利用するケースが多くあります。変動金利で借りる場合、将来の金利上昇によって返済負担が増える可能性があります。
日本銀行は2026年6月17日以降、補完当座預金制度適用利率を1.0%としています。金利環境が変化する局面では、住宅ローンや投資用ローンの金利にも影響が及ぶ可能性があるため、購入前に「金利が1%上がった場合」「2%上がった場合」の返済額を試算しておくことが重要です。
理由4:売りたいときに希望価格で売れるとは限らない
マンション投資は、途中で現金化したくなった場合でも、すぐに希望価格で売れるとは限りません。立地、築年数、管理状態、周辺の供給状況、金利環境などによって売却価格は変わります。
ローン残債よりも低い価格でしか売れない場合、売却時に自己資金を追加しなければならないこともあります。購入時には「持ち続ける前提」だけでなく、「売却する場合の出口」も考えておく必要があります。
減税目的のマンション投資で注意したいこと
マンション投資では、減価償却費や借入金利息などを必要経費として計上できる場合があります。不動産所得が赤字になった場合、一定の範囲で給与所得などと損益通算できるケースもあります。
ただし、国税庁は、不動産所得の損失のうち、土地等を取得するための負債利子に相当する部分などは損益通算の対象にならないと示しています。つまり、「赤字なら必ず節税になる」と単純に考えるのは危険です。
また、減価償却は税金計算上の経費であり、実際の手元資金が増えるわけではありません。節税効果だけを目的にすると、家賃下落や修繕費、売却損によって全体では損をする可能性もあります。
「減税できるから買う」は慎重に
マンション投資の本質は、税金対策ではなく不動産賃貸事業です。税金の扱いは人によって異なり、年収、借入条件、物件価格、建物割合、保有期間などによって結果が変わります。
営業資料で節税メリットが強調されている場合でも、税理士などの専門家に確認し、自分の所得状況で本当に効果があるのかを見ておくことが大切です。
サブリースは安心材料?契約前に見るべきポイント
サブリースとは、オーナーが所有する物件をサブリース会社が借り上げ、その会社が入居者に転貸する仕組みです。オーナー側から見ると、空室時でも一定の賃料が入るように見えるため、安心材料として説明されることがあります。
しかし、サブリース契約では、将来の賃料見直し、契約解除条件、免責期間、修繕負担、原状回復費などを必ず確認する必要があります。国土交通省は、サブリースに関する契約締結時の書面交付や、誇大広告・不当な勧誘への規制について情報提供しています。
サブリースで確認したい項目
- 保証される賃料がいつまで同じなのか
- 賃料の見直し条件がどうなっているか
- 契約解除の条件や違約金の有無
- 修繕費や原状回復費の負担者
- 入居者がいない期間の扱い
- 管理会社を変更できるか
サブリースは便利な仕組みになる場合もありますが、「家賃がずっと保証される」と思い込むと、後から認識のズレが生じる可能性があります。契約書を読み、わからない点は必ず書面で確認しましょう。
最後のページでは、大手のマンション投資会社を含めた相談先の選び方、営業を受けたときの注意点、会社員が副業として始める前の確認事項を紹介します。
