リバースモーゲージのデメリット|契約前に必ず確認したい注意点

リバースモーゲージは、老後の資金不足を補う手段として役立つ場合があります。しかし、便利な面だけを見て契約すると、後から「思ったより借りられない」「家族と揉めた」「金利負担が重くなった」と感じる可能性があります。ここでは主なデメリットを整理します。

デメリット1:金利上昇で毎月の利息負担が増える可能性がある

リバースモーゲージの多くは、変動金利型の商品です。契約時の金利だけで判断すると、将来金利が上がったときに毎月の利息負担が増える可能性があります。元本を毎月返さない仕組みの場合、借入残高が大きいほど金利上昇の影響も大きくなります。

たとえば、借入額が大きい状態で金利が上がると、年金収入の中から支払う利息が家計を圧迫することがあります。契約前には「現在の金利で払えるか」だけでなく、「金利が上がった場合でも払えるか」を確認しておく必要があります。

デメリット2:担保評価によって借入可能額が少なくなることがある

自宅の価値が高いと思っていても、金融機関の担保評価では希望額まで借りられないことがあります。リ・バース60では、融資限度額は担保評価額の一定割合を上限とし、所要資金以内、かつ上限額の範囲内とされています。年齢や長期優良住宅かどうかによっても割合が変わります。

また、土地の価値が低い地域、築年数が古い物件、流通性が低い物件、権利関係が複雑な物件では、担保評価が想定より低くなることがあります。特にマンションは、金融機関や商品によって対象可否や評価条件が異なるため、早い段階で確認が必要です。

デメリット3:相続人への影響が大きい

リバースモーゲージでは、契約者が亡くなった後に自宅を売却して元本を返済するケースがあります。そのため、子どもに自宅を残したい場合や、家族が将来その家に住む予定がある場合は、慎重な話し合いが欠かせません。

商品によっては、相続人の同意が必要です。相続人が自宅を残したい場合は、元本を一括返済する必要が出ることもあります。契約者本人にとっては安心材料でも、家族にとっては将来の選択肢を狭める可能性があるため、契約前に家族全員で仕組みを共有しておくことが重要です。

デメリット4:長生きリスク・評価下落リスクがある

リバースモーゲージは高齢期の資金調達に使われるため、「長く生きるほど借入期間が長くなる」という特徴があります。借入残高が増えたり、利息の支払いが長期間続いたりする可能性があります。

また、不動産価格が将来下がった場合、契約条件の見直しや借入可能額の減額につながる商品もあります。商品によっては、評価額の見直しにより新たな借入ができなくなったり、借入残高が限度額を超えた部分の返済を求められたりする場合があります。

デメリット5:認知機能が低下した後では契約が難しい

リバースモーゲージは金融契約であり、契約内容を理解して判断できることが前提です。認知症などで判断能力が低下した後では、本人名義で新たに契約することが難しくなる場合があります。将来の生活資金や住まいの方針を考えるなら、元気なうちに情報を集め、家族と話し合っておくことが大切です。

リバースモーゲージとリースバックの違い

リバースモーゲージとよく比較される仕組みに「リースバック」があります。どちらも自宅に住み続けながら資金を得られる可能性がありますが、仕組みは大きく異なります。

項目リバースモーゲージリースバック
自宅の所有権原則として本人のまま売却により所有権を手放す
資金の性質借入金売却代金
毎月の支払い主に利息家賃
将来の返済・処分死亡後などに元本を返済賃貸契約として住み続ける

リースバックは自宅を売却して現金を得たうえで、その家を借りて住み続ける仕組みです。そのため、まとまった資金を得やすい一方で、家賃の支払いが続きます。賃貸契約の内容によっては、将来ずっと住めるとは限りません。国民生活センターも、住宅のリースバック契約については慎重に比較検討するよう注意喚起しています。

リバースモーゲージもリースバックも、一度契約すると元に戻しにくい大きな判断です。特に「今すぐ現金が必要」という焦りがあると、条件の比較が不十分になりやすくなります。では、どんな人に向き、どんな人は避けた方がよいのでしょうか。次のページで判断基準を整理します。