
社債は、企業にお金を貸す代わりに利息を受け取り、原則として満期に元本の返済を受ける金融商品です。株式より値動きが小さいイメージを持たれやすい一方、元本保証ではなく、発行企業の倒産、金利上昇、途中売却などによって損失が生じる可能性があります。本記事では、社債とは何かという基本から、国債や株式との違い、利回りの見方、ネット証券での買い方、元本割れ・デフォルト時の扱い、税金、NISA、社債型種類株式、2026年の発行情報まで、2026年9月7日時点で確認できる公的機関・発行企業等の情報をもとに整理します。

この記事の目次
- 社債とは何か、仕組みをわかりやすく解説
- 企業が社債を発行する理由と株式との違い
- 社債の利回り・相場はどのくらいか
- 社債と国債の違いを比較
- 社債の元本割れ・倒産・デフォルトのリスク
- ネット証券などでの社債の買い方
- 2026年の社債発行情報とソフトバンクグループ社債
- 社債の税金・確定申告・NISA
- 社債型種類株式と社債間限定同順位特約とは
社債とは?一言でいえば「企業がお金を借りるための債券」
社債とは、企業が投資家などから資金を借り入れるために発行する債券です。投資家は社債を購入することで発行企業の債権者となり、あらかじめ定められた条件に従って利息を受け取り、満期には償還金を受け取ります。
たとえば額面100万円、年利率2%、5年満期の社債を額面どおり100万円で購入した場合、発行企業が契約どおり支払いを続ければ、利払日に利息を受け取り、満期には額面100万円が償還されます。ただし、預金とは異なり元本保証の商品ではありません。
「利率」と「利回り」は同じではない
社債を見る際に混同しやすいのが利率と利回りです。利率は、原則として額面金額に対して支払われる利息の割合です。一方の利回りは、購入価格、受取利息、償還価格、保有期間などを考慮した投資収益率です。
新発社債を額面100円につき100円で購入し、額面100円で償還される単純な条件なら、満期まで保有した場合の税引前利回りは表面利率と近くなります。しかし、既に発行されている社債を市場で額面より高く、または安く購入した場合は、表面利率と実際の利回りが異なります。
なぜ企業は社債を発行するのか
企業が事業を拡大したり、設備投資や買収を行ったり、既存の借入金・社債を返済したりするには資金が必要です。その調達方法には銀行借入、株式発行、社債発行などがあります。
社債は会計上、原則として企業の負債です。株式を発行する場合とは異なり、通常の社債を発行しても新しい株主の議決権が生まれないため、普通株式のような議決権の希薄化はありません。また、銀行借入だけに依存せず、資本市場から資金を調達することで資金調達手段を多様化できます。
その代わり、企業には契約に従って利息と元本を支払う義務があります。業績が悪化しても支払義務そのものがなくなるわけではなく、支払いができなければ債務不履行、いわゆるデフォルトにつながる可能性があります。
社債と株式の違い|同じ企業への投資でも立場が違う
| 項目 | 社債 | 普通株式 |
|---|---|---|
| 投資家の立場 | 債権者 | 株主 |
| 企業側の基本的な性質 | 負債 | 自己資本 |
| 収益 | 定められた利息など | 配当・値上がり益など |
| 満期 | 通常あり | 通常なし |
| 議決権 | 通常なし | 原則あり |
会社が清算される場合も、一般に株主より債権者への弁済が先になります。ただし、社債にも担保の有無や劣後特約などによって順位の違いがあり、社債を持っていれば必ず全額回収できるという意味ではありません。
社債の利回りの平均・相場は?「一律の平均値」はない
社債には「平均利回りは何%」と一つの数字で示せる公式な相場はありません。発行企業の信用力、満期までの期間、市場金利、担保や保証の有無、劣後性、途中償還条項などで条件が大きく変わるからです。
2026年に個人向けに販売された事例でも、5年債のT&Dホールディングス第7回無担保社債は年1.897%、三菱HCキャピタル第31回無担保社債は年2.642%でした。一方、2026年9月に条件決定されたソフトバンクグループ第70回無担保普通社債は7年で年4.75%です。これは「平均」ではなく、発行体や条件によってかなり差があることを示す具体例として見るべきです。
また、中古の社債では価格が日々変わるため、購入時の利回りも変化します。日本証券業協会は、公社債の参考価格や利回りを「公社債店頭売買参考統計値」として公表していますが、その価格で実際に取引できることを保証するものではありません。
利回りが高い社債ほど有利とは限りません。一般に、発行体の信用リスクや複雑な条件などが利回りに反映されることがあります。数字だけで比較せず、格付、財務状況、満期、劣後性、担保・保証、期限前償還条項などを一緒に確認することが重要です。





